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ビジネスコラム Weekly Column

2012年−新しきモノ、コトを創り出すべき時代の始まり

(2012.01.10)


 2011年、我が国、そして世界は、かつてない危機に直面した。その影響は2012年の現在も、そして将来にも及ぶことが予見される。未曾有の災害、事態を引き起こした東日本大震災、極めて深刻で、緊迫した状況にある欧州危機、そしてそれらに起因し、世界、そして我が国の財政、企業は大変厳しい状況にある。
 実は、昨年初のコラムでは「変局点としての2011年」というテーマで、主に我が国を含む先進国における経済社会の閉塞的な状況、構造に関わる見解を述べさせてもらっていたのだが、2011年に起きた出来事はこれらを加速、顕在化させ、待ったなしの状況を生みだしたように思える。前回コラムでは閉塞感突破への理念的方向性にも言及したが、今回は、少々踏み込んで、具体的なアプローチ提示を行ってみたい。

 ところで、閉塞感とは一体何であろうか?それは、現在の行財政構造、経済・産業の仕組み、有り様のままで、この厳しい状況に対峙していくことができそうもない、という感覚なのではないか。では、何故、現行の仕組みで対峙していけない(少なくともそう感じる)のであろうか?それは、かつてそれらが設計、成立してきた前提(=経済社会状況、構造)が、既に大きく変わってしまっているからであろう。それを明確、真摯に認識し、新たなアプローチを組み立て、実行していく必要がある。以下、2つの視点を示したい。

1)“業(業態、業界)”の枠を超えた新たなビジネスポジション獲得を−“システムビジネス”を例に
 新たな成長市場、事業領域として、スマートシティ、海外インフラ輸出等々のキーワードを良く聞く。我が国企業は、個々の優れた技術、商品は提供できるが、いわゆる単品、モノ売りモデルからの脱却が出来ず、せっかくの優位性を活かしたシステムとしてのビジネス付加価値構築、獲得ができていない、とも言われる。何故、我が国からはそうしたビジネスポジションを担うプレーヤーが現れないのか?
 理由は簡単である。そうした“業”は日本には無かったし、必要なかったのである。例えば、水ビジネスに関して言えば、我が国では自治体が事業主体としてのリスクをとり、企業はその要素となる製品を納めることで収益を得ることがビジネスであり、業である。なお、スマートシティに関して言えば、まさにこれからのビジネスであり、そもそも既存のプレーヤーなどいない。(スマートシティについては、ビジネスの具体的なイメージすら共有されていない状況ではあるが。)
 つまり、これらのいわば“システムビジネス”での付加価値構築、獲得のためには、我が国における従来の“業”の枠、区分を超えた事業体制、機能の構築が不可欠なのである。
 しかしこれは“システムビジネス”に限った話ではないはずだ。市場、産業構造の変化を見据え、そして我が国企業の強みを踏まえ、強い競争力を持つ“業”の再構成、再編成をドラスティックに推進していくことが政策的にも必要となってこよう。もちろん、企業自らが、企業連合によって既存の“業”の枠組みを超えた新たなビジネスポジション、ビジネスモデルの構築を図っていくことは、自身の生き残りへの有効な道筋でもある。極めて局所的ではあるが、そうした動きは起きつつあると筆者は感じている。

2)ストック大国日本で成熟社会における新たなビジネスモデルの構築を
 人口減少、高齢社会、そして、100年に一度といわれたリーマンショック、さらにその2年後に訪れた欧州危機と急激な円高、アジア生産拠点での自然災害等々、我が国、我が国企業は極めて厳しい状況におかれている。
 確かにフローの意味ではかつて無い厳しさがあるのは事実であるが、ここでは、今や、我が国は世界屈指のストック大国であるあることに目を向けたい。我が国の赤字国債の規模はご案内のとおりではあるが、個人金融資産、そして不動産資産、公共資産はそれを大きく超える規模である。詳細についての言及はここでは割愛するが、こうしたストックをいかに効果的に活用しビジネス構築を図っていくか、それらを今後の重点戦略領域、課題として認識すべきだ。それは、行財政システムの抜本改革についても同様である。
 新興国、そしてその次へと新たな外需を探し続け、フローによる成長を求めることも必要だ。ただし、やや極端なことを言うが、それにも限界がくる。やはり地球は有限なのである。成熟したストック大国である我が国ならではの新たなビジネスモデルの構築は、今後の(有限な)世界市場の成熟化を見据えた際に、必ず、今後の我が国の強みとなるはずだ。

 2012年は、我が国、世界にとってまさに正念場である。変化を恐れている暇などは勿論ない。行政、ビジネス双方で、新たなモノ、コトを創り出すべき時代のはじまりである。




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